中学英語の現実~内容の難化で広がる英語格差
2020年に小学校、2021年に中学校の英語は大きく変わり、教科書も変わり内容も増えました。数年前までの中学校では、中1の授業で初めて英語を学ぶ子もイチから教えてもらえる教科書でした。しかし、現在の教科書は違います。富山市の公立学校で使われているNew HorizonのUnit 1を見ても、2ページ目からいきなり多くの文法事項が一気に出てきます。3ページ目からはもう助動詞も登場。小学校での英語が教科化されたことにより、小学校に割り当てられている600~700の英単語や、基礎的な英文法は「小学校で習得してきた前提」で中学校の授業が進むことになりました。
その結果、「できる子」「できない子」がはっきりと分かれてきています。通常、テストでは平均点を中心に少しずつ人数が減る山型の点数分布が一般的でしたが、今の英語は高得点のグループとそうでないグループが分かれるM字型の分布になっています。これまでは中学校に入って1回目の英語のテストは、超簡単で平均点も80点が相場でしたが、今では1回目の試験から、平均点が50点に落ちることもあります。
また、高校入試も一問一答の短文問題はなくなり、全体的に量も多く、長文問題が中心になっています。それに合わせて定期テストも難化傾向。英文法を理解して、正しいスペルで単語が書けるのはもちろん、自分の意見を英語で書く問題も増えています。
大学入試の共通テストも、昔と比べると、問題量も文章量が多くて大変です。長文を高速で読むためには、脳内で日本語に訳すのではなく、英語の語順で読む力を養う必要があります。そのためにはたくさんの英文を読むのが効果的で、早くから英文読解に慣れていることはますます重要になっていきます。
小学生のうちに、少なくとも中1の内容(英検5級)を学習して、できれば中2の内容(英検4級)をしっかり理解しておくと、中学校の英語にスムーズに移行できるでしょう。当校のカリキュラムでは、「聞く」「話す」からスタートして、楽しく学びつつも、段階的に「読む」「書く」に移り、中学以降の未来を見据えたレッスンを提供していきます。